認知症に期待の新薬、レカネマブ
昨年12月に、「日本で認知症の新しい治療薬が承認された!」というニュースが、注目を集めました。
「レカネマブ」は、軽度認知障害(MCI、いわゆる認知症発症手前の状態)及び軽度認知症(認知症の初期段階)の患者さんが対象です。進行した方は治療対象ではありません。
この薬は、脳内に蓄積したアルツハイマー型認知症の原因物質「アミロイドβ蛋白」を除去する作用を持ちます。治験の結果、症状の悪化が27%抑えられたとの事です。
ただ、このレカネマブも、これまでのメマリーやアリセプトなどと同様に、症状の進行を遅らせるだけであって、認知症そのものを改善させる事は不可能です。そもそも、アルツハイマー型認知症の原因物質は「アミロイドβ蛋白」だけではなく、他にも原因物質があるとされていて、それだけを減らせばいいわけではないからです。効果を得られる(恩恵に与れる)のは一部の方かもしれません。
新薬でも治癒が難しいのなら、今のうちから何とかしなければなりません。では、どうすればいいのでしょうか?
認知症のリスクファクターとして、高血圧・糖尿病・喫煙があります。なので、喫煙されている方は禁煙が必要です。高血圧・糖尿病をお持ちの方は、血圧や血糖のコントロールが必要となります。また、カレーの香辛料(クミン)や緑茶をよく摂る人に認知症が少ないとか、魚や野菜中心の食事が良いと言われています。
そして、疫学調査で有名な「福岡県久山町研究」において判明したこと、何より大切な事、それは運動だとか・・・
海外の調査結果も加えると、「ウォーキング」などの有酸素運動を行なう事で、アルツハイマー型認知症へのリスクがなんと45%も低下するとされています。また、脳の記憶を司る「海馬」は、認知症により萎縮しますが、有酸素運動により海馬の萎縮が改善するとされています。血行をよくすることは大事なのですね。
“やっぱり運動なのか・・・”と言わず、地道にコツコツ身体を動かすことにしましょうか( ´艸`)