横隔膜の話
新型コロナが流行した時に、「酸素飽和度が高い・低い」とか「息苦しい」という症状が問題になりましたね。
“ちゃんと呼吸できる”ということは、非常に大事なことです。呼吸は誰でも自然にしていますが、実は呼吸筋を十分に使えていない人が多いようです。加齢によっても呼吸筋は衰えていくので、意識して鍛えることが大切です。
●横隔膜の役割
横隔膜は特に重要な働きをしています。横隔膜はドーム状の筋肉で、息をはいたり吸ったりすることで収縮、緩むをくりかえして肺を動かしています。横隔膜は収縮すると平面的になるので肺が下にさがり、緩むとドーム状に戻るので肺が上に縮みます。横隔膜が衰えるとドーム状ではなく平面的になるので、肺を上下させる幅が小さくなり、呼吸が浅くなってしまいます。
●深い呼吸のメリット
呼吸筋を鍛える運動で呼吸筋をうまく使えるようになると、深い呼吸ができるようになり、全身に酸素が十分に行きわたります。
- 集中力を高める
- 疲れにくくなる
- 病気の急変が起こりにくくなる
- 免疫力があがる
- 痩せやすい体になる
- 自律神経とも関わっているのでリラックスにも役だつ
また、呼吸筋を鍛えると体幹も強くなるので
- 姿勢が良くなる
- 安定して長く歩ける
- 高齢者の転倒予防に繋がる ・・・など様々なメリットが。
●横隔膜を鍛える運動
呼吸運動の7割を担っている横隔膜を鍛え、本来の働きを学習する運動です。椅子とバスタオルを1枚~数枚用意します。
- 仰向けになり、大腿部が垂直になるように椅子に足を乗せる
- お尻の下にたたんだバスタオルを敷き、腰が床から10cmほど持ち上がるようにする
- この姿勢で胸とお腹が同時に膨らむよう意識して、5分間深呼吸を続ける
腰を高くして仰向けになると、内臓が横隔膜を押し上げてドーム状になります。
この運動を続けると、横隔膜を鍛えると同時に横隔膜が本来の働きを学習するので、立ち上がっても深い呼吸ができるようになります。